| 2500 |
焼なまし、焼鈍(しょうどん) |
| annealing |
| 冷間加工の結果生じたひずみ硬化を除去することによるか、固溶体からの析出を粗大化させることによるか、又は再結晶させることによって金属を軟化させる熱処理。
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| 2501 |
中間焼なまし、中間焼鈍 |
| process annealing |
| 冷間加工で硬化した材料を軟化し、引き抜いて行う冷間加工を容易にする目的で、再結晶温度以上で行う焼なまし。
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| 2502 |
仕上げ焼なまし、仕上げ焼鈍 |
| final annealing |
| 所定の性質を得るために、製造の最終段階でおこなう焼なまし。
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| 2503 |
応力除去焼なまし、応力除去焼鈍 |
| stress relief annealing |
| 一般に再結晶温度以下の適温に加熱して、鋳造、加工、溶接などによって材料に生じた残留応力を低減させる焼なまし。
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| 2504 |
低温焼なまし、低温焼鈍 |
| low temperature annealing |
| 内部ひずみ(歪)を除去するため又は機械的性質を改善するために行う再結晶温度以下での熱処理。
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| 2505 |
バッチ焼なまし、バッチ焼鈍 |
| batch annealing |
| 一定量の材料を静置した状態で行う焼なまし。
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| 2506 |
連続焼なまし、連続焼鈍 |
| continuous annealing |
| 材料を炉中で連続的に動かしながら行う焼なまし。
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| 2507 |
テンション・アニーリング |
| tension annealing |
条又は線に張力を加えながら行う低温熱処理。
| 参考 |
加工による残留応力及びひずみの除去とばね性などの機械的性質を改善する目的で行う。
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| 2508 |
光輝焼なまし、光輝焼鈍 |
| bright annealing |
| 表面の酸化を防止し、金属光沢を失わないように保護雰囲気中又は真空中で行う熱処理。
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| 2509 |
雰囲気焼なまし、雰囲気焼鈍 |
| controlled atmosphere annealing |
調整された雰囲気ガス中で行う熱処理。
| 参考 |
雰囲気ガスの組成は、目的に応じて、還元性、不活性などに調整される。ほかに[真空焼なまし(真空焼鈍)]がある。
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| 2510 |
不完全焼なまし、不完全焼鈍 |
| partial annealing |
| 冷間加工した材料の強度的性質を所定水準に下げるためにおこなう焼なまし。
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| 2511 |
肌荒れ |
| orange peel surfaces |
| 焼なまし温度が高く結晶粒が粗大化した材料で、曲げ、絞りなどの加工を施した場合に生じるオレンジの皮に類似した表面の荒れ。
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| 2512 |
焼なまし軟化曲線 |
| softening curves |
加工硬化した材料を、種々の温度で一定時間熱処理したときの軟化の状況を、熱処理温度と常温での機械的性質との関係で示した曲線。
| 参考 |
例としてC 1220 P(りん脱酸銅板)の焼なまし軟化曲線(30分保持後、空冷)を次に示す。
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| 2530 |
溶体化処理 |
| solution heat treatment |
| 熱処理合金を固溶限温度以上の適温に加熱し、合金成分を十分に固溶させた後、急冷させて過飽和固溶状態にする熱処理。
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| 2531 |
自然時効 |
| natural ageing |
| 室温に放置することによって自然に過飽和固溶体から微細な二次相を析出させる熱処理。
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| 2532 |
人工時効、析出熱処理 |
| artificial ageing : precipitation heat treatment |
| 室温以上で加熱することによって過飽和固溶体から微細な二次相を析出させる熱処理。
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| 2533 |
溶体化処理兼人工時効、完全熱処理 |
| solution treated and artifically aged : full heat treatment |
| 溶体化処理に続く析出熱処理(人工時効)。
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| 2534 |
焼入れ |
| quenching |
| 合金成分の一部又は全部を固溶させるために、高温から十分な速さで被処理材を冷媒(固溶、液体又は気体)と接触させて冷却させる熱処理。
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| 2535 |
時効硬化 |
| age hardening : precipitation hardening |
| 所定の温度に保持することによって過飽和固溶体から微細な二次相が析出するために生じる硬化。
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| 2536 |
析出硬化 |
| precipitation hardening |
| 過飽和固溶体から金属間化合物などの異相が析出することによって起こる硬化。
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| 2550 |
ソーキング |
| soaking : homogenizing |
| 拡散によって化学成分の偏析を除去ないし減少させるために、金属又は合金を高温で十分な時間加熱する熱処理。
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| 2551 |
連続焼なまし酸洗、連続焼鈍酸洗 |
| continuous annealing and pickling |
条又は線のコイルを焼き戻しながら連続的に焼なましと酸洗とを行い、巻き取って仕上げる処理。
| 参考 |
通常、この一連の設備をAPライン又はCAPともいう。
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| 2552 |
双晶 |
| twins |
| 一つの結晶粒の中で、結晶格子の構造は同じであるが、ある一定の面(双晶面という。)を境界にして、互いに鏡面対称となっているような結晶。
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