d)試験

1)機械的・物理的特性試験

4100 繰返し曲げ試験
reverse bend test
 特定半径の円弧をもつ一対のつかみに固定し、他端をたわまないように引っ張りながら、円弧に沿って90度ずつ順逆方向に交互に繰返し曲げを行い、破断までの繰り返し回数を調べる試験。
参考1. 伸銅品のJISでは、JIS H 3510に適用されている。
2.この試験の1種として、リードフレームのリード部を片側90度の繰返し曲げをおこない、破断までの繰り返し回数(往復を1回と数える。)を調べるリード・ファティグ・テスト(lead fatigue test)がある。
4101 押広げ試験
expansion test : flaring test
 管状試験片の一端を通常60度の角度を持つ円すい(錐)形の工具で、所定の大きさ(押広げ倍率)まで、ラッパ形に外径を押し広げて、表面に割れが生じたかどうかを調べる試験。
参考 伸銅品のJISでは、JIS H 3300に適用されている。
4102 へん平試験
flattening test
 一定の長さ(約100mm)の管状試験片を用い、2枚の平板間に挟んで直径方向に荷重を加え、平板の距離が規定の距離に達するまで圧縮し、へん平にして、管の表面に割れが生じたかどうかを調べる試験。
参考 伸銅品のJISでは、JIS H 3300に適用されている。
4103 深絞り試験
deep drawability test
 材料から一定の円板(径約24.3mm)を打ち抜き、これをポンチ及びダイスを用いて平底付き円筒に絞り加工し、その際にできる耳の高さを測定値として、材料の深絞り加工性を判定する試験。
参考 伸銅品のJISでは、JIS H 3100のC 2051 Rにだけ適用されている。

単位 mm
4104 ばね限界値試験
spring elastic limit test
 厚さ0.2〜1.6mmの板ばね材料のばね限界値(3170参照)を求める試験。
参考1. 試験には、繰返したわみ式試験とモーメント式試験とがある。伸銅品のJISでは、JIS H 3130に適用されている。
2.ばね限界値は、測定される試料の自由端における永久たわみ変位量0.1mm又は0.075mmに対応する固定端における表面最大応力値kb0.1又はkb0.075[N/mm2]で表す。
4105 巻付け試験
coiling test
 線状試験片の直径を2倍の心金に3回以上巻き付け、破断やきずなどの発生状況を調べる試験。
参考 伸銅品のJISでは、JIS H 3270の一部に適用されている。